950登録とは

「950登録」は通称で、正式には「牽引可能なキャンピングトレーラ等の車両総重量の確認申請」といいます。 申請書類の項目番号が950番だったことからこの呼び名が定着しました。

手続きを済ませると、牽引車(トレーラーを引く側のクルマ)の車検証の備考欄に「牽引可能なトレーラーの車両総重量 ○○kg以下」と記載されます。 この記載された重量の範囲内であれば、キャンピングトレーラーでもボートトレーラーでも、 車種を問わず牽引できるようになります。

逆にいうと、この記載がない車でトレーラーを牽引することはできません。「ヒッチメンバーを付けたから牽ける」わけではない、という点がいちばん誤解されやすいところです。

牽引免許とは別の話

950登録と牽引免許は、まったく別の制度です。混同されがちですが、次のように整理できます。

項目950登録牽引免許
対象クルマ(車検証)人(運転免許)
窓口運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)運転免許試験場・教習所
判断の基準牽引車の制動力・出力・軸重から計算した上限トレーラー側の車両総重量が750kgを超えるか
費用申請自体は無料(書類の準備に費用がかかる)教習・試験の費用

トレーラー側の車両総重量が750kg以下なら牽引免許は不要ですが、750kg以下であっても950登録は必要です。ここを取り違えると、 「免許は要らないと聞いたから登録もしていない」という状態で走ることになってしまいます。

軽自動車の場合は「302登録」

軽自動車でも同じ手続きができます。ただし窓口が軽自動車検査協会になり、 通称も「302登録」と呼ばれます。必要書類(車検証・諸元表・連結検討書)は普通車と同じです。

必要な書類

窓口に持っていくものは、基本的に次の3点です。

  1. 1牽引車の車検証型式指定番号・類別区分番号を使います。電子車検証の場合は本体ではなく「自動車検査証記録事項」に記載されています。
  2. 2諸元表車両総重量・車両重量・軸重・最高出力に加えて、制動停止距離、駐車ブレーキの制動力と操作力が必要です。本来はメーカーや販売店に取り寄せる資料で、ここで数日止まることがあります。
  3. 3牽引可能車両総重量計算書(連結検討書)諸元の数値から、安全に牽引できる重量の上限を計算して示す書類です。計算項目が多く、書式も決まっているため、自力で正確に作るのがいちばん大変な部分です。

連結検討書では何を計算するのか

連結検討書は、次の6つの上限値を計算し、そのうちいちばん小さい値を牽引可能重量として採用する、という構成になっています。 主ブレーキ付きのトレーラーは上限1,990kg、主ブレーキなしは上限750kgという枠もかかります。

  • m₁駐車ブレーキの制動力から決まる上限
  • m₂主ブレーキの制動停止距離(または減速度)から決まる上限
  • m₃主ブレーキなしの場合の制動性能から決まる上限
  • m₄牽引車の車両重量の1/2
  • m₅最高出力から決まる上限
  • m₆駆動軸の軸重から決まる上限

実務でつまずきやすいのはWd(駆動軸の軸重)です。4WDは前後軸重の合計を使うなど、 駆動方式によって取る値が変わります。ここを間違えるとm₆が小さく出て、 本来より低い牽引可能重量のまま登録してしまうことがあります。

手続きの流れ

  1. STEP 1車検証で型式指定番号・類別区分番号を確認する
  2. STEP 2諸元表を用意する(メーカー・販売店への取り寄せ、または本サイトの収録データ)
  3. STEP 3連結検討書を作成する
  4. STEP 4運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)の窓口へ提出する
  5. STEP 5車検証の備考欄に牽引可能重量が記載される
  6. STEP 6ETCの再セットアップを行う(車両情報が変わるため)

窓口での手続き自体は、書類に不備がなければおおむね1〜2時間程度です。 最後のETC再セットアップは見落としやすいところで、 古い車両情報のままだとETCレーンが連結車両を正しく認識せず、 トレーラーが通過しきる前にゲートバーが降りてくることがあります。

費用の目安

運輸支局・軽自動車検査協会への申請費用そのものは無料です。 かかるのは書類を用意する手間と費用だけで、行政書士に依頼した場合の相場は 一般に¥25,000〜¥40,000程度です。 本サイトで自分で作成する場合は、連結検討書の出力が¥2,490(計算と結果の確認までは無料)です。

一度登録すれば更新は不要

950登録に有効期限はありません。車検証に記載された内容はそのまま有効であり続けます。 ただし車を買い替えた場合は、新しい車で改めて手続きが必要です。 トレーラー側を買い替えた場合は、記載された重量の範囲内であれば牽引車側の再登録は要りません。

牽引車としてよく使われる収録車種

下記の車種は諸元データを収録しているため、車検証の番号を入れるだけで計算に進めます。車両総重量・車両重量・最高出力はページ内で確認できます。

収録車種の一覧をすべて見る →

用途別(ジェットスキー・ボート・トレーラーハウスなど)の目安は牽くものごとに変わる手続きを、ヒッチメンバーと車検の関係はヒッチメンバーと車検・950登録の関係をご覧ください。

本記事は一般的な手続きの説明です。実際の取り扱いは提出先や車両の状態によって異なる場合があるため、 最終的な確認は運輸支局・軽自動車検査協会の窓口で行ってください。